「動物病院は病気になったペットを連れていく場所」というイメージが強いと思いますが、私たちのクリニックではただ病気を治療するだけでなく、定期的な健康診断を通して予防医療や健康管理の必要性も普及していきたいと考えています。そのためにも、より多くの飼い主の方に気軽に利用してもらえるように訴求力や集客力を高めていく必要がありました。これに加え、2021年に前院長からクリニックの経営を引き継いだのを機に、利用者の満足度アップや収益の改善・向上など経営の面での課題も感じるようになりました。そこで経営改善コーディネーターや専門家に、新規利用者の獲得に向け、動物病院を探す飼い主の方にアプローチするための方法などを相談することにしました。

コーディネーターや専門家を交えた会議で、クリニックの強みや特徴が明確にアピールできていないことが大きな問題との結論に達しました。 現在はペットの飼育頭数に対し、動物病院の数は増加傾向にあります。そのような中でも確実に集客していくには、他院との差別化が不可欠となります。そこで、経営においては飼い主の目線に立つことを特に意識し、利用者からより選ばれやすいような情報発信をしていくように助言されました。具体的な改善策としては、以下の提案をいただきました。 提案1：クリニックの雰囲気などが伝わるようにホームページを改善すること。 提案2：歯周病対策に関する情報を発信するなど、他院との差別化につながる特徴を打ち出すこと。 提案3：利用者の利便性向上のため、順番待ち予約システムを導入すること。

利用者が動物病院を選択する上で、安心してペットを任せられる病院かどうかは非常に重要な点です。そこで、ホームページに院長である私の顔写真や経歴、動物への想いなどを掲載するページを新たに設け、初めての閲覧者にもクリニックの雰囲気が伝わりやすいように改善しました。 さらに、かねてから力を入れていた歯周病対策に関するコンテンツの掲載も始めました。具体的な症例や予防のためのアドバイスなど、これまでの知見を活かした情報を充実させ、クリニックの強みとして積極的に発信しています。 これらと併せ、パソコンやスマートフォンから診察の予約や待ち状況の確認ができるシステムも新たに導入し、利用者の利便性を考慮した環境整備にも着手しました。

ホームページに掲載するコンテンツを充実させた結果、その閲覧をきっかけに受診を決めたという新規利用者の声が寄せられるようになり、効果的な集客に結びついていると手ごたえを感じています。 支援を受けたことで、ホームページなどを通した積極的な情報発信やPRの重要性を改めて認識しました。私たちのクリニックでは、人間と同じようにペットの健康寿命を伸ばすことを目指しています。 そのためには、病気や体調不良の時に限らず、日ごろから健康状態のチェックや管理のために気軽に受診しやすい環境を整備する必要があります。今後もいただいた助言を踏まえて飼い主目線に立った経営を意識し、利用者にとって有用な情報提供や環境整備に努めたいと考えています。