2012年7月の創業当初より中部圏、関西圏、北陸圏を主要エリアとして冷凍・冷蔵品に特化した温度管理輸送を行っており、食品関連製品の輸送を主としています。経験と勘による経営から脱却し、数値による根拠に基づいた経営に移行すべく経営改善を実施しました。
どのような相談をしましたか?
大口の取引先が自社運送に切り替えたことで売上が低迷する中、さらにコロナ禍の影響を受け厳しい状況になりました。そこで減少した売上を挽回し、経営体制の立て直しを行いたい。そして、これからは経験と勘に頼る経営ではなく、数値による根拠に基づいた経営をしていきたいと相談しました。
どのような助言を受けましたか?
売上の減少に伴い、キャッシュフローが減少してるなど、当社の置かれている状況を指摘してもらいました。さらに詳細に精査し、具体的な課題を洗い出しました。
車両別の損益が算出されていないこと、車両別の稼働率が把握されていないこと、そしてドライバーのスキルに格差があることが明らかになりました。これらの課題解決に向けて、運送業の診断を専門とする専門家の派遣を受けることにしました。
改善提案を受けて何をしましたか?
経営課題を洗い出してもらい、32台ある車両が効率的に配置されていないことと、積み上げてきた運行記録を活かした工夫ができると助言を受け、課題解決に向けた分析と議論からはじめました。
車両別採算表の作成・分析を行い、不採算車両を明確にし、見直しを検討する案を出しました。また、運行部長も交えて運行状況の分析を行い、効率よく配車するための分析結果を得ることができました。
これらの改善検討に加え、「働きやすい職場づくり」を行いながら、従業員満足(ES)と顧客満足(CS)の両方を高めることでサービスの質を向上させるという経営方針を全社あげて定めました。
支援を受けていかがでしたか?
コーディネーターや専門家のアドバイスにより、これまでセミナー等で学んできたことが具体的な経営ツールとして活用できるようになりました。
社内で蓄積してきたデータに基づいて、具体的な課題が明らかになり、的確な助言を受けることができましたので、経営改善案を容易に実行に移すことができました。
具体的な数値を根拠とした分析により、的確な経営支援を受けることができて満足しています。
行動計画
車両別損益の導入
管理会計の導入・改善- 各車両に人件費を反映した損益を算出し、継続して管理することに。車両別損益の管理を徹底し、コストを固定費と変動費に分けて分析することで、改善余地のある車両を把握できるように。
不採算車両の運用改善
部門・店舗別の収支改善- 稼働率の悪い車両について配車係と情報を共有することに。車両別損益を活用することで、不採算車両の稼働率アップのための営業活動を継続して実施することとなった。
ドライバーの質向上に向けた目指すべきドライバー像の明確化
人材育成(管理者・従業員)- 行動指針を作成し、個人別の目標達成評価を実施した。さらに、社長と従業員が個別面談することによって意思疎通を向上させ、理想とする行動指針を作成し、各ドライバーが目標を設定するように。半期ごとの個人面談において達成状況を確認することで、会社の5年後の将来像を共有できるようにした。