「とん亭」は、創業四半世紀にわたり地域で愛され続ける伊勢市の町中華屋です。
自家製ソースと絡めて炒めるニンニクの香りが食欲をそそる”とんてき”や豚骨をじっくり1日間煮込んだ”ラーメン”が大人気!
ランチタイムは、ボリューム満点の定食を求めるお客様がひっきりなしに訪れています。
しかし、「とん亭」にはある悩みがありました。
近年、伊勢市内の飲食店は伊勢神宮の”観光客”や”女性客”の集客に力を入れており、「とん亭」としても、新たなターゲットをどのように集客していくべきか悩んでいました・・・
そんな中、地域金融機関の担当者から、「み・エールbiz」のコーディネーターを紹介され、
集客戦略について考えていくことになりました。
どのような相談をしましたか?

最近、観光客や女性客を取り込む競合店が増えてきており、「とん亭」でも新たな顧客層の集客方法を模索していました。
試しにInstagramで情報発信を始めてみたものの、思うような効果が得られませんでした。そこで、売上を伸ばし、来店客を増やすための集客方法について相談しました。
どのような助言を受けましたか?

手当たり次第の集客には、注意が必要だとアドバイスを受けました。
新たなターゲットを集客しようとしても、顧客の期待と「とん亭」が提供する商品・サービスが一致しなければ、良い評価にはつながりません。それどころか、Googleビジネスプロフィールや食べログ等の口コミ評価が下がるリスクもあるとのことでした。
そこで、「とん亭」がどのような点でお客様に支持され、どのような顧客層に選ばれているかを分析することから始めました。来店いただく顧客層をイメージすると、現場仕事の方が多く、職人の方々が多くいらしゃっていました。また、料理についても提供も早くパワーが充填できるボリューミーな定食が人気でした。
そこで、以下のとおりに自社の強みとメインの顧客層を整理し、集客の施策を考えていきました。
□自社の強み・・・「ボリューミーな料理」「コスパ、タイパの良さ」
□メイン顧客・・・「現場仕事の方、職人の方」
次に、詳細な売上データを分析し、新商品開発の提案を受けました。
売れ筋を調査するために、伝票を1つずつ記録し、1週間分の売上データを分析した結果、「トンテキ」に次いで、「唐揚げ」が人気であることがわかりました!そこで、人気の「唐揚げ」と「とん亭特製ラーメン」を組み合わせた新メニューの開発することになりました。
~~~~~~~~唐揚げのこだわり~~~~~~~~
◇塩、ガーリックパウダー、様々な香辛料をブレンドしたオリジナルの唐揚げ粉を使用
◇揚げる直前に、独自配合の酒醤油に漬け込み、ジューシーな仕上がりに
改善提案を受けて何をしましたか?
唐揚げのファンが多いことが分かったため、唐揚げをセットにしたボリューム満点の新メニューを開発しました。
~新メニュー~
□「とん亭Aセット」:ラーメン+チャーハン+唐揚げ
□「とん亭Bセット」:ラーメン+ホイコー飯+唐揚げ
さらに、メニューブックもリニューアルし、顧客に人気商品が、目立ちやすいように写真の配置を見直しました。
また、Instagramでの情報発信は、ガッツリ食べたい顧客層を意識して、調理シーンの臨場感を伝える動画や写真、シズル感のある出来立てや大盛りの写真発信することで、新規来店客の獲得を図りました。
支援を受けてどのように変わりましたか?

支援を受けたことで、自店の強みと顧客層を明確に把握することができました。
その結果、方向性の定まった新メニュー開発や情報発信を行えるようになり、特にInstagram経由での新規来店が増えました。さらに、メニューの改良によって単価アップにもつながり、売上も向上しています。今後も「とん亭」らしさを発信して、お客様に喜ばれるメニュー開発やサービスを提供し続けていきたいと思います。
行動計画
ターゲットを意識した販売促進施策
プロモーション- 自社の強みとターゲットを意識した販売促進施策を行う
- Instagramではガッツリ食べたい顧客層を意識して情報発信(①調理シーンの臨場感を伝える動画や写真、②シズル感のある出来立てや大盛りの写真)
- 近隣の建設業関係先へチラシのポスティングを行う
- 建設業関係者が立ち寄りような施設(ホームセンター等)へ相互チラシ設置を依頼する
メニューブックリニューアル効果のモニタリング
プロモーション- 新たな開発した商品やとん亭の出数を記録する
- 商品毎の出数の結果を受けて、新商品の見直しやチラシ、メニューの改善を実施する