株式会社センプリーチェは、松阪市朝日町で”イタリアンバル「センプリーチェ」”と”お弁当屋「まっすぐ弁当」”、東町ではジェラート屋「GELATO-YA」、イベントにはキッチンカーを出店するなど複数の業態を経営しています。
イタリアンバルでは、美味しいワインと気軽なイタリア料理をテーマに、お手軽で本格的な料理とワインを提供しています。
また、2021年から開始したジェラート屋は、イタリア料理人ならでは発想と素材の絶妙な配合による旬のフルーツを使ったフレーバーが人気です。
お客様から支持されているセンプリーチェですが、様々な業態を同時に展開することで、業態毎の損益状況の把握や収益力の向上など様々な課題を感じていました。
今回、み・エールbizを活用し、コーディネーターや専門家と相談しながら、現状の整理と損益状況の把握、さらには商品毎の原価管理やSNSを活用した情報発信の方法を検討していきました。
どのような相談をしましたか?

センプリーチェでは、イタリアンバルの運営に加え、お弁当販売、ジェラート店、キッチンカー事業を展開しています。しかし、多数の事業を展開したことにより、限られた経営資源が分散している状況が課題となっていました。
どのような助言を受けましたか?

専門家からは、経営改善の第一歩として事業ごとの原価管理を徹底するようアドバイスを受けました。具体的には、各メニューの原価を細かく計算し、それぞれの収益性を明確にすることで、重点的に取り組むべき事業やメニューを特定するよう指摘されました。また、効率的な経営資源の配分により、利益率を改善するための仕組み作りが重要であると教えられました。
さらに、SNSを活用した情報発信の強化についてもアドバイスを受けました。特に、視覚的な訴求力が高いインスタグラムの動画を活用し、料理や商品の魅力を視覚的に訴求することで、”食べたくなる”をイメージさせ来店意欲を高める方法を教えていただきました。
改善提案を受けて何をしましたか?

専門家の助言を受け、まず主な商品について、原価計算アプリを用いた簡易的な原価計算とExcelの販売分析シートを作成し、原価率を含め収益性を明確化しました。その結果、採算が低いメニューについては、構成変更や価格の見直しなどの改善策を講じました。また、事業ごとに収益を分析し、注力すべき分野を特定することで、経営資源の集中化を図りました。
同時に、SNSプロモーションを強化しました。特にインスタグラムでは、料理の写真を投稿するだけでなく、リール動画やハッシュタグを効果的に活用しました。これにより、お店舗の魅力を視覚的に伝えることができ、ショート動画の再生数は70万回を超える成果を上げました。広域からの来店客も増加し、SNSが強力な集客ツールとして定着しました。
支援を受けてどのように変わりましたか?

支援を受けた結果、経営の透明性が大きく向上しました。これまで曖昧だった収益構造が原価計算によって明確になり、収益を生む事業やメニューに注力できるようになりました。これにより、効果的な投資や適正な人員配置等を行えるようになったと思います。
また、SNSプロモーションの成果として、遠方から訪れる新規顧客が増え、来店者数が大幅に伸びました。特に、料理動画や写真を見て「食べてみたい!」と思って来店してくれた方がたくさんいて、手ごたえを感じました。
経営方針が明確になったことで、私はもちろん従業員の意識も変化したように思います。これからも一丸となって、センプリーチェ全体で、イタリアを感じてもらえるようなお店を作って行きたいと思います。
行動計画
業態別の損益状況の把握
部門・店舗別の収支改善- 様々な業態「イタリアンバル」「ジェラート屋」「お弁当屋」「キッチンカー」を経営しており、業態別に損益管理を行い、収益の状況の見える化を実施
- 収益の状況を見える化することにより、効果的な投資や適正な人員配置等を行う
メニュー毎の原価管理の徹底
管理会計の導入・改善- 主な商品について、原価計算アプリを用いた簡易的な原価計算とExcelの販売分析シートを活用し原価率を把握する
- 原価率を把握し、原材料やメニューの改善、価格設定の見直しを行う
”食べたくなる”をイメージさせる情報発信
プロモーション- Instagramの写真やリール動画を活用し、お客様が「その料理を食べてみたい!」と思うような情報を効果的に発信する
- 動画を多用することで、静止画では伝えきれない臨場感を伝える
- ジェラートマシンを用いた製造工程やイタリア料理の調理シーン(ジュワッと炒める音やソースをかける音、熱々の料理から上がる湯気)で五感に訴える
- 盛り付けシーンや料理が完成する瞬間を発信し、料理への期待感を高め、自分も食べてみたい(体験したい)という気持ちを刺激する