漁獲量減少×価格高騰!原価管理で経営を強くする戦略

有限会社山藤
業種
製造業
従業員規模
6~10名
経営者属性
その他
支援テーマ
財務管理
支援内容
管理会計の導入・改善
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伊勢志摩で水揚げされた脂ののった高級魚を、無添加・無着色で加工し届けている有限会社山藤。江戸時代から続く歴史を持ち、航空会社のファーストクラスにも採用される高品質な「串ひもの」で知られています。近年は水産資源の減少や原材料費の高騰など、外部環境の変化に直面し、経営に大きな影響を受ける中で、「みえビズ」の支援を受け、経営改善に着手。徹底した原価管理により、自信を持った経営判断と、次なる挑戦への道筋を見出しました。

どのような相談をしましたか?

近年、水揚げ量の減少や魚の価格高騰、さらには電気代や物流費の上昇など、私たちのような海産物の加工業にとっては厳しい状況が続いていました。なかでも、原材料費と人件費の高騰は経営に直結する深刻な問題であり、利益が思うように出ていないという実情が明らかになってきました。

私自身、品質には絶対の自信がありましたが、「このままではいけない」という漠然とした危機感を抱いていました。そこで、経営の見える化と持続可能な収益構造を築くため、「みえビズ」に相談することにしました。

どのような助言を受けましたか?

「まずは、商品一つひとつの原価を“見える化”しましょう」

最初に受けたのは、収益構造を把握するための“原価計算シート”の導入提案でした。材料費や労務費、電気代、流通コストといった要素を一つひとつ洗い出し、商品ごとのコスト構造を明らかにする方法です。

海産物の加工は年々複雑化し、手間や技術の差が商品ごとに大きく異なります。「価格に加工の手間や技術の価値を反映させないと、真に価値ある商品が報われません」——この言葉は、胸に深く刺さりました。

改善提案を受けて何をしましたか?

原価計算シートを活用し、代表的な商品を中心に、原材料から販売までの全工程にかかるコストを一つひとつ洗い出しました。これまで感覚で捉えていた部分に、数値という裏付けを持たせたことで、「この商品は儲かっていなかったのか」「この工程に時間がかかりすぎているな」といった新たな気づきが次々と得られました。
感覚的に判断していたことを、数字で「納得」できるようになったのは、大きな進歩です。

支援を受けてどのように変わりましたか?

一番の変化は、「自信を持って経営判断ができるようになったこと」です。数字でコストを把握できるようになったことで、価格設定や新商品開発の際も、根拠を持って決断できるようになりました。

また、今後に向けた展望も広がっています。地元でしか水揚げされない、まだ市場に出回っていない美味しい魚を使った新たな商品づくりにも意欲的ですし、高い加工技術を活かして付加価値の高い商品を開発し、国内だけでなく海外市場にも視野を広げ、展示会などを通じて販路拡大にも力を入れていきたいと考えています。

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行動計画

原価管理の見える化

管理会計の導入・改善
  • 商品毎のコスト構造を把握するため、材料費や労務費、電気代、流通コストの要素を一つひとつ洗い出し、原価管理シートを導入する
  • 各工程の時間を計測することで、工程のムリ・ムダ・ムラを把握し、生産の合理化を行う

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