塗装工事会社の工事毎の損益管理

社名非公開
業種
建設業
従業員規模
6~10名
経営者属性
二代目
支援テーマ
財務管理
支援内容
管理会計の導入・改善 管理会計の導入・改善
※画像はイメージです
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当社は、高所構造物の塗装を得意としている建設業者です。
塗装スペシャリストの人材や協力会社を擁し、長年の実績から取引先と信頼関係を構築しています。
他社にはない高所での塗装技術から、コロナ禍においても、受注量が大きく減少することはなく、安定的な受注を維持してきました。
しかし、収益面に焦点をあててみると、受注後の予算と実績管理ができておらず、個別工事の収益管理を強化していく必要がありました。
コーディネーターと専門家との対話により、収益改善に向けた行動計画を作成し、課題解決のための具体的な改善に取り組み始めています。

どのような相談をしましたか?

建設業界においては、就業者の高齢化が進んでおり、若手人材の不足が問題となっています。当社においても従業員10名の内、最も若い従業員は40代と、若手人材の定着が課題となっています。人材が不足する中、社長が現場に出て、職人として働かざる得ない状況となっており、経営全般と現場の管理を一手に引き受けて社長の負担が増しています。見積は社長が一人で行っており、期中の採算管理まで手が回っていない状況でした。そのため、工事毎の採算改善にかかる相談を行いました。

どのような助言を受けましたか?

個々の工事で利益の見える化ができておらず、原因と対策が特定できていない状況でした。詳しくみていくと、見積書を作成する過程で、材料費や外注加工費等の直接原価は考慮されていましたが、内製で行う人工や旅費交通費等の直接経費や間接原価は考慮されていませんでした。
そのため、先代の見積方法では、必要な情報が加味されておらず、人工単価の修正や経費率の設定を行う等の以下の提案を受けました。

提案1:原価管理の基本的な知識習得と最新決算に基づく人工単価、及び経費率の算出方法の見直し
提案2:工事毎の収益を管理するための業務フロー案の提案

先ずは、専門家から売上と費用の関係について教えていただき、原価管理に関する基本的な知識を学びました。続いて、人工単価や経費率の計算方法を学び、見積算出方法の見直しの提案を受けました。
次に、日々の業務フローを「営業」と「施工準備」、「施工」、「工事完了後」の4つに分けて整理し、工事の採算を検証するPDCAサイクルを回す業務フローの提案を受けました。

改善提案を受けて何をしましたか?

最新の決算書に基づき、人工単価と経費率を計算し、見積書に数値を反映することにしました。人工単価は先代の見積作成時に参考にしていた基準から、長年見直されておらず、実態と乖離した見積書となっていました。徐々にではありますが、最新の人工単価と経費率を見積書に適用しはじめています。
業務フローにおいては、見積と実績のチェックを行うことで、見積と実績が乖離している原因を特定し、見積基準の見直しや対策立案を実施する仕組みを取り入れました。定着まで時間がかかると思いますが、出来ることから一歩ずつ改善を進めています。

支援を受けてどのように変わりましたか?

安定した業績を維持し、若手人材の確保と定着を実現するためにも、収益性の向上が重要となります。職人として働いていた過去の経験から、現場が完全であれば良いという認識が強かったですが、経営者として、会社全体、特に採算面に目がいくようになりました。
特に、見積においては、先代からのやり方で良いとの考えでしたが、時代の変化と共に、利益のでない構造となっていたことがわかり、手遅れにならずに済んで良かったです。
また、専門家と従業員との面談を通じて、従業員の意識に変化がありました。いままで、社長に対して、資金面の問題点は指摘しづらい雰囲気でしたが、専門家やコーディネーターから的確な指摘を受けたことで、社長への進言がしやすくなり、何でも積極的に話し合える雰囲気になりました。これからは従業員と一丸になって、経営改善に取り組んでいきたいと思います。

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行動計画

見積書の計算方法の見直し

管理会計の導入・改善
  • 最新の決算書に基づき人工単価、経費率を計算し、見積書への反映させる。

収益性向上させるための業務フローの整備

管理会計の導入・改善
  • 施工期間中は見積と実績の進捗チェックと工事完了後は最終的な損益チェックを行う。
  • 施工完了後は見積と実績を比較し、乖離がある場合は、対策を検討する。場合によっては、見積基準の見直しも実施する。

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