コロナ禍で売上が減少した際、「人と接する仕事だから仕方ない」と自分に言い聞かせて耐えてきました。コロナの収束とともに客足は徐々に戻り始めましたが、完全には回復せず、「もう少し待てば戻るかもしれない」という期待と、「もうコロナ前の状況には戻らないかもしれない」という不安が入り混じり、複雑な思いを抱えていました。

やがて、「待っているだけではいけない」と感じ、売上アップを目指す決意を固めました。施術の技術には自信があるものの、コロナ禍を経て経営環境が大きく変わった今、どのようにすれば売上を拡大できるのか悩んでいました。そこで、経営改善の専門家であるみ・エールbizに相談し、見直すべきポイントや今後の取り組みについて助言を求めることにしました。

最初に指摘されたのは、「サービスの魅力が十分に伝わっていない」という点でした。当院では、整体のほかにも電気刺激による筋力トレーニング（EMS）や鍼灸など、他院にはない設備やサービスを提供しています。しかし、「整体20分〇〇円」といった時間制の料金表示では、価格ばかりが目立ち、本来伝えるべき価値や特色が見えづらくなってしまうとのことでした。

だからこそ、「顧客が本当に求めていることを言語化し、それを伝わる言葉で発信すること」が重要だと助言を受けました。目に見えないサービスだからこそ、魅力を丁寧に、具体的に伝えることが不可欠と教えていただきました。あわせて、新規顧客の獲得に向けて、顧客ニーズの調査と、それに応じた新メニューの開発も提案いただきました。

既存のお客様を対象にアンケートを実施し、抱えている悩みやどのようなサービスを求めているのかを可視化しました。さらにモニターを募集し、施術体験を通じて得た感想や要望をヒアリングしながら、メニュー内容をブラッシュアップしました。

その結果、「腰痛改善コース」や「姿勢改善コース」といった症状に特化した新メニューを開発。お客様が「自分にピッタリの施術コース」と感じてもらえるよう、言葉選びにも工夫を凝らしました。ホームページの掲載内容も刷新し、より分かりやすく興味を引く表現に改めました。
あわせて、肩こりや腰痛の予防・改善を目的とした体操教室も定期開催することに。施術と運動の両面から健康をサポートできる場所を目指しています。

これまでも「お客様のニーズを大切にしたい」という思いはありましたが、それはあくまで私自身の感覚的なものでした。
アンケートの回答やモニターからのフィードバックを通じて、数字や言葉でニーズを把握できたことで、自分の思い込みや認識とのズレに気づくことができました。

新しく打ち出した「腰痛改善コース」や「姿勢改善コース」はお客様からも好評で、既存の患者さんにも自信を持って提案できています。ホームページの改善により、新規のお問い合わせも増加し、情報発信の重要性をあらためて実感しました。

何より大きかったのは、「お客様の声に耳を傾けることの大切さ」を再認識できたことです。そのための手間や努力を惜しまないことが、結果的に経営にも顧客満足にもつながると強く感じました。今後も地域に根差した整体整骨院として、より多くの人の健康を支えていきたいと考えています。