国内でも希少な再生バッテリー事業、先行者利益を反映させた収益力向上の取り組み

株式会社JBR
業種
製造業
従業員規模
0~5名
経営者属性
創業者
支援テーマ
戦略・事業開発
支援内容
営業手法の改善 管理会計の導入・改善 組織体制
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株式会社JBRは、主にフォークリフト用の使用済みバッテリーの再生および再利用や回収・買取業務を行っています。独自の技術力を磨き、事業を発展させてきましたが、コロナの影響により経営状況の厳しさが増してきました。専門家に助言をあおぎながら、収益力の向上を目指した施策を検討しました。

どのような相談をしましたか?

日本ではバッテリーは使い終わったら捨てるのが当たり前ですが、インドネシアでは再生利用が進んでいました。2007年にJBRを設立し、バッテリー再生事業を開始し、売上を拡大しておりましたがコロナで状況が一変しました。 JBRの事業は主にフォークリフト用のバッテリーを対象としているので、工場や倉庫を持つ中小企業に打撃を与えたコロナ禍は、そのままJBRにも大きな影響となって降りかかってきました。我々の取引先も工場の操業停止に追いこまれたり、事業を縮小せざるを得ない企業もありました。 JBRが取り組む再生バッテリーの事業は、国内では希少で競合は少ないものの、経営状況が厳しさを増してきました。そこで短期的な打開策はもちろんですが、コロナのような予測困難な緊急事態は今後いつ起こるやも知れず、ベースの収益力を向上させていくためにはどうすれば良いか、専門家に相談しました。

どのような助⾔を受けましたか?

専門家からは、以下の提案を受けました。 提案1:販売先の選択と集中 提案2:新規開拓のための展示会への出展やSNSを活用した情報発信 バッテリー再生という現代の潮流に合った「環境にやさしい」事業であることに将来性は感じるが、他社より先んじて取り組んでおり、バッテリーに関する知識や経験が豊富にも関わらず、そういったノウハウを事業に活かしきれていないように感じる。JBRの収益力のさらなる向上に向けて、ノウハウを最大限発揮させて付加価値をアピールしましょう、という助言をいただきました。

改善提案を受けて何をしましたか?

まず価格に対する考え方を見直しました。再生バッテリーは国内で前例が少ないものなので、参考にできる価格がありません。それゆえに、新規バッテリーの価格をベースに、中古だからその●%ぐらいかな、といった考え方をしていました。しかし再生バッテリーは、新規バッテリーとは異なり、再生させるための独自の技術力やノウハウが付加されたものです。それらをきちんと加味した価格にするべきというアドバイスをいただき、JBRの技術、知識、情報などを付加価値ととらえ、それらも値付けに反映させた、積み上げ式の価格へと変えました。 取引先のシェア構成についても検討するようになりました。様々な基準でシェアを高めていきたい得意先を選定し、そのシェアが向上するようなメリハリを付けた営業活動を展開するようにしています。 また、それらの取り組みの進捗や、実際に収益力の向上につながっているかを管理し、さらに推進していくために、定期的な経営会議を実施するようになりました。

⽀援を受けていかがでしたか?

支援を受けていくつかの施策を見直した結果、コロナで落ち込んだ既存取引先からの受注は徐々に回復し、新規取引先も増え始めています。支援の内容で一番大きかったのは、価格に対する考え方を見直したことです。先行的に取り組んでいて、参考になるものがないからこそ、自分たちの持つ価値をきちんと積み上げて価格に反映させる。非常に参考になりましたし、お客様に対してきちんと根拠とともに価格の説明ができています。 現在はフォークリフトのバッテリーが中心ですが、バッテリー自体はさまざまな分野で使用されています。今後狙いたいのは、ビルに設置されている無停電電源装置のバッテリーです。また長期的には、EVに使用されるリチウムバッテリーにも挑戦したいと考えています。

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行動計画

既存販路別の選択と集中を行う

営業手法の改善
  • 既存販路別の選択と集中を行う。その上で、新規販路の開拓を行う。

原価管理・売価管理の見直し

管理会計の導入・改善
  • 原価管理・売価管理の見直しと固定費の削減を行う。また、製造原価報告書の導入や部門別決算の導入等を検討する。

定期的な経営会議の実施

組織体制
  • 部門別に経理責任者を決めて、状況を把握した上で、定期的に経営会議を実施する。

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