名張市に拠点を構える「フットサルエリア」は、フットサル専用コートの運営とスポーツ用品の販売を手がける事業者です。藤田代表のフットサルへの情熱が形となったこの施設は、「気軽に集まれる場所」として地域に親しまれてきました。しかし、新型コロナウイルスの影響により、フットサルチームの減少やネット販売の規制強化などで売上が大きく低下。そんな中、事業再建の糸口として、学校向け物販への展開を専門家の助言を受けながら進め、売上回復へとつなげることに成功しました。
どのような相談をしましたか?

相談のきっかけは、コロナ禍を経て事業全体の売上が大きく落ち込んだことでした。フットサルチームの活動停止や解散が相次ぎ、コートの稼働率が大幅に低下。加えて、スポーツ用品のネット販売においても、大手の参入やモールでの無在庫販売の規制強化により、在庫を多く抱える体力のない当社では継続が困難となり、ネット販売事業の縮小を余儀なくされました。
コロナ禍が明けて利用者は徐々に戻ってきたものの、チームの再結成は進まず、売上が以前の水準に戻ることはありませんでした。ネット販売も依然として厳しい状況が続き、新たな収益の柱を模索する必要性に迫られていました。
どのような助言を受けましたか?

支援を依頼し、専門家やコーディネーターと相談していたところ、私の人柄と機動力を活かした「学校向け物販」の拡大という提案を受けました。「フットサルコートを運営する事業者が、スポーツ用品の物販も手がけているのは他にない強み。特に、学校現場に対してきめ細やかな対応ができる点は、小回りが利かない大手との差別化につながる」とアドバイスをいただきました。
また、以下のような具体的な施策についても提案を受けました。
・訪問営業の際に使用するチラシなどの「ドアノックツール」を整備する
・粗利率を見ながら、赤字取引先に対しては価格交渉または取引辞退を検討する
・物販事業の打ち出し方を見直し、ホームページの内容を学校向け販売中心に刷新する
・営業活動の時間を確保するための体制作りも併せて行う
改善提案を受けて何をしましたか?

助言を受けて、まず着手したのが、取引先拡大に向けた学校やエリアの選定でした。鈴鹿市や四日市市、津市など、効率的に訪問営業ができるよう地理的条件や移動ルートを考慮して優先順位をつけ、営業計画を立てました。
また、訪問営業の際に使用する「ドアノックツール」として、価格競争力のある商品を掲載したチラシを新たに作成。初回取引のハードルを下げるために、ターゲットとなる学校のニーズに応じた商品構成とわかりやすい価格提示を意識しました。チラシは単なる価格表ではなく、当社の誠実な対応やフットワークの軽さが伝わるようにデザインや内容にも工夫を凝らしました。
支援を受けてどのように変わりましたか?

支援を受けて以降、物販の新規取引先として複数の高校との契約に成功し、売上が徐々に回復してきています。特に、これまで営業活動が及んでいなかったエリアへの訪問営業が実を結び、販路の拡大が実現できたことは大きな成果です。営業の準備段階でターゲット校やエリアをしっかり絞ったことで、移動時間の削減や営業効率の向上にもつながっています。
今後は、ホームページの刷新やさらなる情報発信の強化を通じて、より広い範囲への認知拡大を図りつつ、学校向け物販の柱をさらに強化していくつもりです。フットサルエリアとして、地域に根ざした活動を続けながら、持続可能な経営体制を築いていきたいと考えています。
行動計画
学校向け物販の拡大
プロモーション- 代表者の人柄と機動力を活かし、学校との信頼関係を構築しながら「学校向け物販」の拡大を図る。新たな収益の柱として、事業の安定化と成長を図る
- 訪問営業の際に使用するチラシ等の「ドアノックツール」を整備する
- 物販事業の打ち出し方を見直し、ホームページの内容を学校向け物販中心に刷新する