「寿自動車」は、昭和39年、伊賀市に創立された自動車販売業者。自動車販売を主軸に、車検、車の故障・修理など、自動車にかかわる様々なサービスを展開している。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響等により販売が停滞。その回復に時間を要する中、金融機関や中小企業診断士の支援を受け、新規顧客を獲得し収益改善に向けた具体的な取り組みが成果を見せ始めている。
どのような相談をしましたか?
これまで既存顧客や知人に向けた営業に頼っていたため、新規顧客の獲得を重視していませんでした。ところが、新型コロナウィルス感染症の影響等により販売が停滞し、頭を悩ませていました。売上を伸ばし財務の改善をしなければいけないことは理解していましたが、どこから改善すべきか悩んでばかりいました。そこで経営改革をするにあたり、支援を受けることになりました。
新規顧客獲得や販路拡大に向けた営業体制の構築と、併せて財務管理の理解を深めるためのアドバイスを希望。当時の財務状況は、翌年度の事業費も見込みながら業務の立て直しを図るも、これまでの経営体質を引き継いだままだった。2022年度の決算において、売上総利益率は改善したものの、販管費を削減できず、営業利益は横ばいだった。
どのような助⾔を受けましたか?
コーディネーターや専門家を交えて、経営課題を洗い出し、SWOT分析、今後の取り組みについて話し合う中で、以下の助言を受けました。
提案1:経営状況を正確に把握をする
提案2:中古車価格の高騰、修理依頼の減少の傾向があるため利益率向上に注力する
提案3:新規顧客獲得のための情報発信力・顧客開拓能力をつける
経験と勘で経営方針を考えるのではなく、正しく財務状態を把握し、今後を踏まえた新規顧客獲得や販路拡大に取り組む重要性について何度も助言いただきました。
改善提案を受けて何をしましたか?
まず、資金繰り表を作成し、毎月の財務状況を把握することからはじめ、現在の経営規模に応じたコスト削減計画を策定しました。
次に、粗利の確保に向けた事業計画を策定し、タイヤ預かりサービスを有料サービスの重点強化事業と位置付けることにしました。新規顧客獲得のため、ホームページを新たに作成し、GoogleMap(Googleビジネスプロフィール)に掲載したり、SNSでの情報発信も強化しました。
当社は、街の自動車修理屋さんですので近隣の方は皆見込客です。そこで、タイヤ預りサービスのチラシを作成し、地方情報誌に折込広告を入れると共に、私自身の足を使って近隣にポスティングも行いました。
支援を受けていかがでしたか?
既存顧客中心のビジネスモデルを見直すことで、新規顧客獲得の重要性を実感しました。専門家の指導を受け、ホームページ作成や有料サービスの開発に取り組んだ結果、新規顧客を獲得することが出来、成果が現れはじめました。
自分で資金繰り表を作成する。自分でホームページを作る。自分でチラシを作ってポスティングする。どれも慣れないことばかりで大変でしたが、伴走支援者や専門家に後押ししていただき頑張ってよかったと思います。支援が終わった今でも、ホームページの情報充実化、SNS等のでの情報発信は継続して取り組んでいます。
行動計画
資金繰り表による財務状況の把握
資金繰り改善- 資金繰り表を作成し、毎月の財務状況を把握する。先を見越して、投資またはコスト削減を実施する。
タイヤ預かりサービスの強化
新規顧客の獲得・販路拡大- タイヤ預かりサービスを有料サービスの重点強化事業と位置付け、販促を展開する。
ホームページやSNSによる情報発信力強化
プロモーション- 新規顧客が安心して来店できるように、ホームページの情報充実化、GoogleMap(Googleビジネスプロフィール)への登録を行い、定期的に更新する。